受講生の声

愛知県 T.Tさんグリーフ専門士養成コース(ベーシック)

どうしてグリーフケアスクール(専門士養成コース)に参加したいと思われましたか。
僧侶として、葬儀の場でのご遺族との関わり方を考える一つの手立てとしてということと、自死遺族の分かち合いの会に参加させていただく中での、ご遺族との向き合い方や振舞い方を学びたかったから、というのが参加し始めた理由です。
体験講座ではzoomでの講義というものに慣れず、あまり集中できなかったことを覚えていますが、事前動画と講義、特にワークを大切にということで、学習と実践をもって学べるところに魅力や説得力を感じました。これまでの講座を経てzoomの講座にも慣れてきたように思います。
参加してどのように感じましたか。心に残ったことを3つあげてください。
1点目は事前動画の中でも代表が繰り返し言われるように、失敗から学ぶ、あるいは自分の価値観を絶対化しないという点が自分の中では特に印象に残っています。自分の安心のために相手を型にはめようとしたり、あるいは自分の経験をたよりに人と付き合うのは悪い事ではないですが、それはあくまで自分を優先しているということなのかな、と思いました。目の前の相手と真摯に向き合うというのは型にはめようとせず、自分の経験を絶対化せず、常に手探りでどこまでも自分には厳しくなければならないのだろうと感じました。つきつめれば寄り添いとは人間にできる事ではないのかもしれませんが、だからこそ探し続けることが大事なのだろうと思いました。
2点目はセルフケアの難しさです。自分の精神状態は、特に自分のような素人には非常にあいまいで判断が難しい事に加え、意識しなければ自分で気が付きにくい事だと改めて思わされました。以前自分自身が鬱になりかけたような時期もありましたが、自覚はなかったですし、後から思うと鬱になりかけていたのだろうか、という程度で、自分の今の精神状態に気が付くのは、講座の中でも行ったように習慣付けを行うでもしないかぎり非常に難しく、それでなくても自分の事を後回しにしたり、自分をないがしろにしてしまう、というのは結構な人がしてしまうのではないかと感じました。
3点目は、講座を通して自分もグリーフを抱える一人なのだという事を感じる点です。2点目のセルフケアの点とも重なりますが、講座の中で自分の話を聞いてもらったりしていると、自分のグリーフや今の状態・自分の過去と向き合うことになり、グリーフケアや同行者といっても、自分もグリーフを抱えている一人であり、決して同行させてもらう人と別の立場ではないということを、改めて肝に銘じておこうと思いました。

今回の学びをこれからどのように活かしたいですか。
自分の仕事や分かち合いの会もそうですが、まずは日常生活の中で、人と向き合う、人の話を聞く、敬話敬聴を心がけたいと思います。なかなかできませんが、勇気づけということも毎日の人との関わりの中で考えていきたいと思います。相手の求めていそうなことやわざとらしいものではなく、あるいは自分の「良い事言いたい」という感情に流されないようにしたいです。自尊心と自己承認欲求を思い知らされるようです。
また、自分の宗派は浄土真宗なのですが、最近浄土真宗では僧侶の資格を取る学習過程にグリーフケアの学習要綱が追加されました。自分もグリーフケアについて、宗派で行われている無料の講座などを受けたりしましたが、宗教とグリーフケアの重なる部分が自分の中ではまだ上手く言語化できていません。
浄土真宗は「自分を知らされる」ということを大事にしている宗派なので、グリーフケアを学ぶ中で非常に重なる部分が多いのは実感していますが、ゆくゆくは念仏とグリーフケアの重なりの部分を言語化して、宗派でグリーフケアを学ぶ意義などを自分の言葉で話せるようになれたらと思います。
TOP