埼玉県 あっちゃんさんグリーフ専門士養成コース(ベーシック)
- どうしてグリーフケアスクール(専門士養成コース)に参加したいと思われましたか。
- <1つ目の理由>
私は去年、母を亡くしました。七歳の時に戦災孤児になった母は淋しい思いをしながらも頑張って生き抜き私を生んでくれた、という思いから、私が何とか母を幸せにしてあげなければならないと小さな頃から思っていたのですが、思いをやり遂げることの出来ないまま母は旅立ってしまいました。なんでもっと温かい団らんを作ってあげなかったんだろう、なんでもっと・・そうした懺悔の想いや生きていく目標を失った様な喪失感をどうして良いかわからず
また終わりが来ることがない様に思えた空虚な毎日を何とかしたいという思い、また母の死を無駄にしたくないという思いから、グリーフについて学びたいと思うようになりました。前職の病棟保育士においてグリーフは学んだものの勉強不足の部分もあり、もっと専門的に心から安心出来るような学びは無いかと探していたところこちらの養成コースに出会いました。HPの内容を拝読し温かい理念を基に書かれている内容も感慨深く、体験コースでの温かい雰囲気を感じベーシック&アドバンスコースの受講を決めました。
<2つ目の理由>
私はそれまで普段使いのフラワーアレンジメントをハンドメイドし販売するということをしていましたが両親や愛猫を亡くし、哀しい思いでいらっしゃる方に少しでもほっと安心するひとときをお届けしたいと思う理由から、「お供え花」に特化したブランドに変更しました。販売の際、購入者様とやりとりをすることも多く、中には「こんなに辛くて・・」という思いを語って下さる方もいらっしゃいます。そんな時の受け答えはやはりとても心を使わないといけないとわかっていても実際出来ているのか不安になりました。既に傷を負ってしまっている状態に更に傷付けてしまうことの無い様にしたいという思い。また、これはまだ先の希望ですがこういった思いを抱えていらっしゃる方のニーズにカウンセリングという形でいつかお役に立てないだろうかという思いもあり、温かくひとりひとりの抱えるグリーフに寄り添うこちらの講座を受講したいと思いました。
- 参加してどのように感じましたか。心に残ったことを3つあげてください。
- <1つ目>
まずは、講師の先生方の配慮がとても優しく、一人一人の受講生に寄り添う様な配慮が随所に感じられました。初日は花粉症でマスクをしていましたが「体調は大丈夫ですか?」と気に掛けって下さったりと、受講生である私たちを常に優しく気遣って下さっている温かい雰囲気の中での学びなのでとても安心して学べましたし、講師の先生方の言葉がすっと心に違和感なく入って来ました。少し辛い体験を思い返すワークの度にバタフライ・ハグをさせて下さったり、幾度か涙が滲んでしまう場面もありましたが、全てを受け入れて下さるような安心出来る講義でした。学ばせて頂くと同時にまだ残っている辛い気持ちをすっと癒して頂いた思いでいっぱいです。本当にありがとうございました。
<2つ目>
4日間の講義の中で一番印象に残っている項目は7つの局面の「グリーフスパイラル」です。大切な存在を失って辛いのは、喪失感や罪悪感等で哀しいことだけでなく、「この辛さは一体いつまで続くのだろう?」という漠然とした辛さでした。自分なりに答えを見出そうと色々な本や映画、インターネットで情報を探ったりしましたが、納得のいく答えは得られずに日々もがいておりました。そんな中で教えて頂いた「心の地図」。「ああ、大丈夫。私は今恐らくこの辺りに居るんだ」と自分なりに位置づける事が出来て、螺旋階段の様にもしかすると何周か繰り返しながらも、いつか「再生」に向かえるのだということが何より心の救いになりました。
実際こちらを受講しようと感じたのも「転換」であったのかもしれませんし、母の生き方を引き継いでいこうと思えたのは再生の兆しなのかもしれないと思いました。ですがやはりまた懺悔の気持ちになる日もあり、そんな時はスパイラルのここを進んでいるのだと肯定的に捉える事が出来るようになりました。「再生」の「不要なものを上手に手放しながら必要なものを求める勇気」という新しい自分の目標にいつか辿り着けるはずと自信が沸いてきました。
受講する前は罪悪感で落ち込み涙する日もありましたが、そんな日々には終わりがあっていつかそんな新しい自分になれるのだろうと未来をイメージすることが出来、それを楽しみにしている自分にも驚いています。
<3つ目>
講義の中でワークという実践も多く、とても学びが多かったです。特に2人ずつの部屋に入り語る側と敬聴する側に分かれてするワークでは、メモをとることも出来ませんし、初めのうちは心に響かせることの難しさを感じました。自分の立場としてお話を聞いてしまい「自分だったら」という視点で涙が溢れて来てしまったりしましたが、これだと本当にお相手の心が響いてはおらず、一人よがりな聞き方でした。また、「次に自分が話さなければならない」という他の考えもふっと沸き集中力が途絶えてしまっていたのも、敬聴が出来ていないからこそだったのかもしれません。
お相手の靴を履く様に、じっと心を据えてお相手の身になってお話を聞くということを意識するようにすると少しですがお相手の心情が響いてきた様な感覚がありました。
また、私たち受講生の話す事に毎回講師の先生がレビューをして頂けますが、いつもメモもとらずにタイムリーに適格な内容を受講生の心を気遣いながら教えて下さる事にも感動しました。敬聴の難しさと共にこういった事が出来る様になるとこんなにもお相手に幸せな感情をプレゼント出来るのだなあと、遠い未来にいつかそんな風になりたいという意欲が沸いてきました。
- 今回の学びをこれからどのように活かしたいですか。
- 一番は日々の自分に対して生かしたいです。迷った時に「ああ、あの日の講義でこう仰っていたな」など思い返す事で安心して対応できる気がしています。グリーフに関する悩みはもちろんのことアドラー先生の共同体感覚という学びは普段の友人や家族、職場や地域での関りにおいても同様に広く生かしていきたいです。そうでないコミュニティに身を置かれた時も出来るだけ自分は「ここに居ると安心出来る」と思ってもらえるような存在でいられたらと思いました。そう目標を掲げることで何より私自身が元気をもらえるのだろうと思いました。それは母の戦争で家族を全員失ってしまったけれど、恨みを持つのでなく人に愛をもって生き抜いた証を引き継いでいく事にも繋がるのだと思いました。
またもう一つは、お供え花作家としてお客様に関わる際に今回の学びを生かしたメッセージのやりとりやSNS発信を心掛けようという思いです。辛い真っただ中にあるお客様が多い中、少しでもほっと出来るようなやり取りをメッセージ上でも「シンシア・スロー・ソフト」を念頭において関りたいです。
またありのままの自分についてのブログも始めてみようと考えていますが、そちらにおいてもこちらで獲た学びを生かして書いてゆけたらと考えています。
そしていつかはグリーフでお辛い中にある方の何かお役に立つことが出来る様に更に学びを重ねていきたいです。
アドバンスでの学びもとても楽しみにしておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。