受講生の声

東京都 M.Tさんグリーフ専門士養成コース(ベーシック)

どうしてグリーフケアスクール(専門士養成コース)に参加したいと思われましたか。
高校時代に進路を迷っていた時に最後まで悩んで諦めていたのが心理学だった。40代後半の時、社会人でも学べば対人支援の職に就けると知り、キャリアコンサルタントの資格を取得したが、コロナ渦で、大切な甥っ子を想いもしない自死という形で亡くした。DINKSの私達夫婦にとっては我が子同然の存在だった彼が命を絶つほど苦しんでいた時にもその辛い気持ちを一度も聴くこともできずに失い、その行き場のない虚しさは3年経った今でも癒えない。とは言え甥っ子のような哀しい人生を私は社会の中で決して作ってはいけないと考え、社内で懇願し昨年から企業内カウンセラーの職に就いた。同時にグリーフに向き合う専門的なスキルを学びたいと考えていた時幸運にもこの講座と出会うことができた。
参加してどのように感じましたか。心に残ったことを3つあげてください。
協会の「敬話敬聴」という哀しみへの触れ方の考え方を軸に講座の中で特に印象的なことを挙げたいと思う。

1つ目は、関わり方そのものの「お相手への深い配慮の姿勢」だ。ご相談者の心の奥の声にも最大限配慮するグリーフ専門士の姿勢そのものに感銘を受けた。「ただただご一緒にいて、大切なお話をお聴きかせいただく」。その姿勢はまさにグリーフという精神的に繊細な状態を抱えたご相談者と向き合う場面において一番相応しい関わりと感じている。いつか私も苦しみを持たれた方が信頼してお話をしに来てくださるような存在となれる為に努力したい。

2つ目は、自分自身のグリーフに触れていくことを最優先していることである。私自身、産業カウンセラーたるや他人に弱みを見せるなんて…と自分に大きなプレッシャーをかけていたが、自らの心の奥の気持ちとしっかり向きあうことの大切さに気付けたことは大変有意義であった。

そして3つ目は、GRIEF IS LOVEである。人は愛があるからこそ深く哀しみに暮れることもあるが、その状態から脱することができるのもまた愛の力だと私も信じている。井手代表の温かいメッセージからも、この協会の真ん中にある愛が強く伝わってくる。この先の講座の中でもその愛の神髄に少しでも近づけるようにより深く学んでいきたい。
今回の学びをこれからどのように活かしたいですか。
人は様々なグリーフを抱えそれでも強く生きている。それは十人十色であり、どれ一つとっても全く同じ経験はない。そしてそれを乗り越えた時、その尊い人生の物語が、人として生きる道を再び輝かせることにも繋がると信じている。私はこの先の人生、多くの皆さんからのお話を“敬話敬聴”させていただきながら、そして時には私自身も支援者の皆さんに助けていただきながら、広く社会の中で、グリーフ専門士として、生きるということの素晴らしさや命の尊さを多くの人々にお伝えできるようになりたいと考えている。
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