受講生の声

兵庫県 A.Mさんグリーフ専門士養成コース(ベーシック)

どうしてグリーフケアスクール(専門士養成コース)に参加したいと思われましたか。
昨年11月に妊娠24週で前期破水し、第一子の娘を出産後、生後12日で亡くしました。直後はどう生きていけばいいのか絶望に暮れる反面、家族から「早く立ち直りなさい」と言われ、しっかり哀しむことが出来ずにいました。自助グループのお話会や、産科の先生のフォローアップのおかげで、自分の想いを吐き出す場があり、何とか日々を過ごしています。そして時間の経過とともに、その周りの温かさに感謝するとともに、サポートの必要性を実感し、いつか自分も誰かの支えになりたいと思うようになりました。
また、娘を亡くした直後にしっかり哀しむことが出来なかったため、この講座を通して、当時の自分を再び振り返り、感じたことを自分の中にきちんと落とし込みたいという目的もあります。それが母親として私が出来る数少ないことだと考えたからです。
娘を亡くしたことは本当につらくて哀しいけれど、娘が与えてくれた全てを何一つ残らず自分のものにして、いつか人を支えられるようになることで、娘が生まれてきてくれたことを哀しいだけのことにしたくないと思っています。
この講座を知り、他の団体が行っているものと違い、zoomを通してグループワークが出来る点に惹かれて申し込みました。講義を聴くだけより、多くのことを気づき学べると感じたからです。
参加してどのように感じましたか。心に残ったことを3つあげてください。
一つは、毎週同じメンバーで話していく時間・空間が、本当に安心・安全なもので、この講座で知り合えた人がいてよかったということです。自助グループのお話会や産科の診察で想いを話すことはありますが、それ以外にも、こうして自分の想いを表出できて、それを否定することなく聴いてくださる時間・空間に、とても救われました。毎週土曜日が来ることが楽しみに感じるようになっています。残り2ヶ月、さらに深い話をしていくことで関係性も深まっていき、かけがえのない出会いになるのだろうと感じています。

二つ目は、自分を振り返ることが出来たということです。娘を亡くして、現在は休職中でもあり時間がたくさんあるので、様々なことを考えてきました。自分で自分のことを何度もしっかり見つめ返してきたつもりでした。でも実際に講義を受けると、今まで振り返ることが出来ていなかったところに多く気付きました。特に弔いのプロセスでは、火葬の場面が本当につらくて、無意識に思い出すことを避けていました。自分一人では分からなかったところ、避けていたところに、この講座からの刺激を受けることで向き合えたのでよかったと思っています。

三つ目は、敬話敬聴の難しさです。今まで自助グループのお話会などで話して聴くことはありましたが、支援者として行うことは、それと全く違うなと感じました。他の方の体験を聴く、特に亡くした対象が同じだと、前のめりに同意してしまいそうになります。それをしないで、共感しながら敬いながら聴くことがとても難しいです。また共感しすぎて、相手の話に気持ちが引きずられそうになることもあります。自分の体験を横において、相手の話をスペシャルなものとして聴いて、自分のメンタルを立てておけるように、この後も敬話敬聴のワークを通して学んで行きたいと想います。

今回の学びをこれからどのように活かしたいですか。
娘を亡くしてから半年弱、自身がまだ不安定なことが多いです。セルフケアが常に必要な状況でもあります。講座で得た気づき、揺らぎを大切に、知識を忘れず、セルフケアを行っていくことで日々を生きていきたいと思います。
そしていつか復職したときには、職業が看護師でもあるので、グリーフに直面する機会は多くあると思います。自身のグリーフ、同僚のグリーフ、患者さんやご家族のグリーフ、それに気付けて、そっと寄り添い敬話敬聴できる人になれたらいいなと思います。
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