受講生の声

岡山県 S.Mさんグリーフ専門士養成コース(ベーシック)

どうしてグリーフケアスクール(専門士養成コース)に参加したいと思われましたか。
私は娘を6年前に交通事故で亡くしました。6年間の中でいろいろな想いの変化がありました。今は悲しみは乗り越えなくてもいい、悲しみは娘を愛するが故の哀しみだからと思っています。そして、哀しみと共に生きています。悲しみを抱えていても未来に向かって生きていける、悲しみが生きる力になると思っています。
わたしの人生の目的は娘が生きた人生を未来に繋げることです。哀しみを抱えている人へ寄り添いたいと思っています。そのためには寄り添うための基礎的知識を学ぶ必要があると考え、受講することに決めました。
参加してどのように感じましたか。心に残ったことを3つあげてください。
⓵敬話敬聴の重要性
ただ相手の話に耳を傾け、話をするのではなく、相手を敬う気持ちをもって、話を聴きそして、話をすることの重要性を学びました。言葉にすることへの不安、自分の話を聴いてもらえるだろうかという不安など、話す側はいろいろな不安を抱えています。その思いを感じ取りながら、聴くことが大切だと思います。
 
②グリーフケアとアドラー心理学
人は過去の「原因」に突き動かされるのではなく、自覚の有無に関わらず「目的」に従って生きていると考えるのが、アドラー心理学の視点。私は娘が亡くなるという辛い出来事を、ただ、辛いという「私の視点」で見るのではなく、娘が生きた10年、「娘の人生」という視点で見ることが大切だと思うようになりました。そう考えた時、娘の生きた人生が、どれ程価値のあるものであるかが、わかりました。10年という短い人生でしたが、人の人生は長い、短いでは計れないほどの、重みがあります。その娘の人生を未来に繋げることが私の役割だと思います。娘を失ったという過去に捕らわれるのではなく、その悲しみから、未来への希望を見出していくことが、私にとって生きる力になりました。
また、アドラー心理学が提唱する「人々が幸せに生きる社会の創生」そのために重要視されている「共同体感覚」を育むことの重要性を知りました。
そして、共同体感覚とは「ここにいると安心」「ここにいると元気が出る」といった所属感、(community feeling)と、全ての人と協力し、助け合おうという社会への関心(Social interest)でもあるということがわかりました。
哀しみを抱える人へ寄り添える社会が広まることを望みます。また、私自身が広めることへ少しでも貢献できるように努力しようと思います。

③グリーフスパイラル
わたしはこのグリーフスパイラルの図を見た時、新たな人生への再出発の道のりは、階段ではないんだということに関心を持ちました。そして、真ん中に哀しみがあることで、悲しみは無くならなくて当たり前、悲しみを乗り越えなくていいということがわかります。愛する人を亡くした私たちは、悲しみという感情をネガティブな感情としてとらえるのではなくて、わたしを支えてくれる共に生きる力として、捉えていくことが重要だと思います。
また、疾病のうつと病と、グリーフの抑うつとの違いに注意することが重要だということも知りました。
今回の学びをこれからどのように活かしたいですか。
共同体感覚を育む社会、人は一人では生きていけない。支え合う社会の育成へ少しでも関わることができればと考えています。
哀しみを抱える方へ、寄り添える私になり、悲しみと共に生きることを伝えていきたいと思います。
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