受講生の声

千葉県  A.Oさんグリーフ専門士養成コース(ベーシック)

どうしてグリーフケアスクール(専門士養成コース)に参加したいと思われましたか。
看護師として、患者さんと向き合う中で病気の進行や治療の副作用から、できることが出来なくなる苦痛や治療すること(生きる意味)を問われたり、辛いと声を聴くことが多々あり、自分の対応にモヤモヤして過ごす日が多くありました。そして、ターミナル期の患者さんから「できなくなっていく自分が情けない。生きているのが辛いよ。早く死ねたらいいのに。」と言葉を投げかけられたときに、「そんなことはないですよ。まだできていることがあるじゃないですか。」ととっさに返した後、患者さんは黙ってしまいした。

その数日後に、その方は亡くなり自分がとった対応が良かったのかと自問自答する日が続いていました。そんな中、院内で外部研修のグリーフケアに関するポスターを見かけ、はじめはその研修に申し込もうと内容を調べました。しかし、内容を見ても死別に対する家族のケアが主になっていて、患者さん自身に対する内容がなく、他にグリーフケアについて行われている研修はないかと探し、こちらに辿り着きました。「グリーフは死別だけではなく喪失する全てに当てはまる」これが私の探し求めていたものだと感じ、参加に至りました。
参加してどのように感じましたか。心に残ったことを3つあげてください。
・自己受容:まずはどんな自分でも、「これが私」として受け止めてあげる。今の自分(色々な感情も含め)を否定せず、無理をせず、自分の声を大事にできる限り優先すること。それは、自分だけではなく、相手も救うことにつながる。

・グリーフスパイラル:哀しみの裏に愛がある。大好きだから、辛い。哀しみがなくなることはないけれど、忘れる必要もない。思い出したくなったら、思い出していい。哀しみの先にある人生を迎えるために出現する感情はどれも大事で、その時のその人に必要なこと。その感情に寄り添い・見守り・状況に応じて提案することが大切。

・「答えず、応えて、逆質問」:とっさに答えなければと答えを急いでいたが、すぐに答えるのではなく、相手がしているその質問の真意は何かを考え確認するために、とても重要。自分が申し込んだ動機のモヤモヤしていた対応は、まさにこれが必要だったんだと感じました。
今回の学びをこれからどのように活かしたいですか。
職場で、ターミナル期の患者さんや家族など喪失を間近で体験している人、ターミナルではないけれど、病気によって日常生活に制限が出てしまう、自宅へ帰れないなどの喪失体験をしている人など様々な方がいます。そういった方たちの、喪失体験を少しでも和らげられるよう、敬話敬聴をもとに「答えず、応えて、逆質問」を忘れず、時間の許す限り対応していきたいと思います。
また、患者さんが安らげる環境は、医療的な環境整備ではなく、好きなもの・安心できるものが近くにあることも忘れず、心の充電ができる環境づくりも行いたいです。
臨終に立ち会う機会もあるので、状況を見極めるのは難しいですが、家族が亡くなった方に少しでも関われる機会を設けること、辛い状況を逃げずに遺族とともに受け止めることができるようにしていきたいと考えます。
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