東京都 T.Kさんペットロス専門士養成コース(ベーシック)
- どうしてグリーフケアスクール(専門士養成コース)に参加したいと思われましたか
- 昨年、16年共に過ごしたペットを自宅で看取った。周囲からは「あんたは絶対にペットロスになる!」と言われていたのだが、その前後に父との死別や夫の闘病、そして死を迎えるという状況にあったためか、愛するペットの死が「大きな流れのごく一部」としか捉えられていない自分を感じていた。
また、私の気落ちを心配し、あえて忙しないあの時期(夫も一時退院中だった)を選んで旅立ってくれたようにも思われ、その深い愛情に最後まで甘えっぱなしで、その一部でも返せていただろうかという気持ちもあった。
あの子に思いを馳せる時間をちゃんと取りたいと思ったこと、そして家族として距離近く過ごすペットたちとの別れについて、その実際を学ばせていただくよい機会だと感じ参加した。
- 参加してどのように感じましたか。心に残ったことを3つあげてください。
- ・人とペットの関係の特徴
ペットが担っている役割の大きさを感じた。評価することのない無条件の愛、スキンシップ、人とつながる潤滑油としての存在。また、お世話、健康管理などをすることで自尊心を高めてくれる。その子がいなくなるということは、それら全てを失うということなのだとわかった。
・安楽死について
安楽死の定義を知れたことがまずは大きかった。そしてその決断にいたるまでの苦悩や、どんな決断をしたとしても後悔や自責の念が残りやすいということを思うと胸が苦しくなった。いずれにしても考えに考えぬいたうえでの決断であることを尊重し、寄り添えるようになりたい。
・飼い主からペットへ、ペットから飼い主への手紙
書き出すとすぐに涙が溢れてきた。率直に向き合うことで、麻痺したようになっていた感情が溶け出したように思った。これを書く上で今、読み返してみてもやっぱり泣いてしまう。特にペットから飼い主への手紙は、この先も私の心の支えになってくれるだろう。
- 今回の学びをこれからどのように活かしたいですか
- ペットロスは公認されないグリーフの一つという学びの部分で、ペットと暮らしたことのない人が、その辛さや哀しみを軽く見てしまうように、犬や猫と暮らしている人が、金魚や鳥などその他小動物と死別した人を軽く見てしまうこともあると知り、自分がこれまでそうでなくいられただろうかと自問した。また課題に取り組む中で、飼い主自身「ペットが死んだくらいで」と口にされることが多いのを実感している。
ペットが生きているうちにその死を意識して動くことには抵抗感が大きい方も多いという。私も飼い主の一人として、その気持ちがよくわかる。しかし学べば学ぶほど、生きているうちから専門士として関わりを持つことが重要なのだと感じられた。ペットが元気なうちに関係性を築いていくこと、そのためになにができるだろうと模索しながら、学びを深めていければと思う。
ともに講座を受講した仲間には、すでにそのような活動に取り組んでいる方もいる。お手伝いできることがあれば嬉しいし、身近にいる飼い主の皆さんとコミュニケーションを深めつつ、まずは情報としてお伝えできるように努めていきたい。