グリーフ専門士養成コース (ベーシック+共通アドバンス) Grief Care(Basic+Advanced)
講座概要
悲嘆心理の基本から、さまざまな死別体験や多様な影響を幅広く学ぶコースです。
支援者としてのセルフケアや、グリーフへの適切な関わりを体験的に身につけます。
週に1回3か月のコース、自分の気持ちと丁寧に向き合いながら理解を深められる内容です。
*協会代表の井手による事前動画と、講座当日のシェアやワークを組み合わせたカリキュラムです。
各回の事前動画を視聴の上、ご参加ください。講義動画は期間中、繰り返し視聴いただけます。
*グリーフ専門士/ペットロス専門士(アドバンス)が含まれるコースです。
ペットロス専門士(ベーシック)の受講生は、本コース終了後に「ペットロスアドバンス追加動画講座」の課題提出で
ペットロス専門士(アドバンス)の資格取得が可能です。
講座内容
DAY.1
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悲嘆の基本概念
悲嘆の定義と死別
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多様な悲嘆と喪失の容態
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死別体験と自己覚知(Grief inspires Life)
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遺族支援の枠組み
グリーフケア、カウンセリング、セラピーの違い
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支援の枠組みと専門士としての倫理
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同行者としての意義と役割
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基本姿勢と敬話敬聴
ロジャースの傾聴「受容・共感・自己一致」
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敬話の2S(Slow, Soft)
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敬聴の2S(Silence, Special)
DAY.2
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悲嘆の5つの影響
身体的・情動的・認知的・社会的・実存的
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予期悲嘆
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「ノーマライズ」の理解
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敬話敬聴の理解と実践
喪の課題における語ることの意味
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敬話の3S(Slow, Soft, Sincere)
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敬聴の3S(Silence, Special, State)
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喪の過程
グリーフとモーニング
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沈黙の尊重
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悲嘆に影響を与える7つの媒介要因
DAY.3
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悲嘆と愛着理論
フロイトの理論(脱カセクシス)
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愛着理論とグリーフ
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継続する絆モデル
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悲嘆心理の変容の可能性
段階モデルの限界と位相モデル
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防衛的心理と否定的心理(認知と感情)の理解
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適応的心理と肯定的心理(認知と感情)の理解
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4つの心理局面における関わり
支援者としての関わり
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当事者としての向き合い方
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グリーフケアと支援者自身のケア
DAY.4
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DSMにおける悲嘆
うつ病(MDD)とは
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うつ病(MDD)と悲嘆の違い
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通常の悲嘆を超えた時の関わり・考え方
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二重過程モデル
記念日反応とは
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喪失の2つの対処(喪失志向と回復志向)
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自分の対処方法(傾向)を知る
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共同体感覚と統合された悲嘆
個人心理学と共同体感覚
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共同体感覚と敬話敬聴
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愛着の再形成と統合された悲嘆
DAY.5
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悲嘆のスペクトラム
悲嘆の共通性
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悲嘆の類似性
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悲嘆の個別性
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課題モデル
課題モデル(4つの課題)とは
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課題モデルⅠと課題モデルⅡ
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課題モデルⅢと課題モデルⅣ
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喪失の影響を客観的にとらえる
ロスラインの概要と意義
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ロスラインの書き方/方法/進め方
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ロスラインの留意点
DAY.6
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公認されない悲嘆
公認されない悲嘆とは
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公認されない悲嘆の分類
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公認されない悲嘆の背景
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あいまいな喪失
あいまいな喪失とは
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あいまいな喪失の特徴
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あいまいな喪失の影響
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喪失とレジリエンス
公認されない悲嘆とあいまいな喪失(共通点、相違点)
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支援の方向性
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あいまいな喪失とレジリエンス
DAY.7
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未完了の悲嘆と受容
カタルシスとは(精神分析の観点から)
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未完了な事柄(unfinished business)
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交差的体験による悲嘆の理解
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喪失体験とマインドフルネス
マインドフルネスと臨床的意義
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グリーフにおけるマインドフルネス
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マインドフルネスの実践においての留意点
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喪失体験とセルフコンパッション
セルフコンパッションと臨床的意義
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グリーフにおけるセルフコンパッション
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セルフコンパッションによるレジリエンスの強化
DAY.8
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個人心理学における全体論
統一性(人間は分割できない個と認識する)
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文脈性(行動や感情を背景から理解する)
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目的志向(行動や感情に隠れた意味や目的を探る)
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グリーフにおける全体論
グリーフダイアログとは
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ダイアログの留意点
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グリーフダイアログ実践例
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二重過程モデルの拡張
時間の経過に伴う悲嘆体験の変化
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重複する対処反応
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揺れ動きによる受容の促進
DAY.9
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心理社会的発達理論と愛着
生涯発達の基本的視点
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エリクソンの心理社会的発達理論
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愛着理論と生涯発達
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乳児期の喪失体験
乳児期の発達課題(基本的信頼/基本的不信)
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乳児期のグリーフ
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心の安全基地
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幼児期の喪失体験
幼児期前期の発達課題(自律性/恥・疑惑)
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幼児期後期の発達課題(自主性/罪悪感)
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幼児期のグリーフ
DAY.10
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学童期の喪失体験
学童期の発達課題(勤勉性/劣等感)
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学童期のグリーフ
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喪失体験と自己効力感
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青年期の喪失体験
青年期の発達課題(自己同一性/同一性拡散)
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青年期のグリーフ
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死を巡る対話(死について一緒に悩む)
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兄弟姉妹(きょうだい)の死
家族システムの揺らぎ
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新たな役割を担う重荷と葛藤
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自分の存在意義への疑い
DAY.11
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成人期初期の喪失体験
成人期初期の発達課題(親密性/孤立)
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成人期初期のグリーフ
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グリーフの性差(男性性・女性性)
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成人期中期(中年期)の喪失体験
成人期中期の発達課題’(生殖性/停滞)
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成人期中期のグリーフ
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成人期中期(成熟期)の同一性再確立/空の巣症候群
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成人期後期(老年期)の喪失体験
成人期後期の発達課題(統合性/絶望)
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成人期後期のグリーフ
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ジェネラティビティと「ゆずり葉」
DAY.12
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心的再会セラピーの理論と背景
心的再会セラピーの成り立ち
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ゲシュタルト療法との関連
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理論的根拠と効果の考察
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心的再会セラピーの実践
セラピーの適応と準備
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セラピーのスクリプト(デモ)
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セラピーの留意点
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課題モデルの再考
喪の課題Ⅳの変遷(初版から5版まで)
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脱カセクシスと課題Ⅳの再考
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日本人と統合された悲嘆
全12日間 / 計56時間(※課題実施時間含む)
受講料
ベーシック 55,000円+アドバンス132,000円=187,000円(税込)→ ※入門講座にてセット特別受講料ご案内
※オンライン(ZOOM)受講です。お顔を出してのご受講をお願いいたします。
※基準を満たした課題の提出をもって資格認定となります。(「グリーフ専門士」の名称を使用して活動される場合は会員登録が必要です)
※安全なご受講を考慮し、心療内科などへ通院、又は精神面における服薬をされている時期は、原則ご参加を見合わせていただいています。
*講座終了時間は、進行状況により若干長引く場合があります。
講座担当
産業カウンセラー:グリーフケアの知識をわかりやすく喪失悲嘆を抱えた方も安心して参加できる癒しの講座を目指します。
保育士:母の闘病、介護から看取りへ。「哀しみ」その先を支えるグリーフケアが必要とする方や社会に伝わりますように。
獣医師:母、愛犬との死別体験から、身をもって感じたグリーフケアの大切さ。心に寄り添うグリーフケアを志す。
双子の妹と母の死別後、協会に出会い今の自分が在ります。グリーフケアの温もりをお伝えできるよう努めてまいります。
公認心理師:幼少期の喪失体験から悲嘆支援に関心をもち、協会を発足。心理臨床の視点からグリーフケアに取り組む。
受講生の声
詳しい感想をご覧になりたい方は、各受講生の声をクリックすると全文をお読みいただけます。
哀しみに耳を傾けるということを深く実践できる場です。講座のワークで語る内容は、受講生やサポートの方々の真実に基づいており、臨場感があり涙なくしては聴けません。(全文はクリックしてご覧ください)
(ハワイ州 Hiroko Kleshick(ヒロコ・クラシック)さん)
- 講座に参加してどのように感じましたか。特に心に残ったことを3つあげてください。
- ①1番は「言葉をひらく」ことの大切さ、敬話敬聴ワークでの敏さんの導き方
傾聴する際、「抽象的」思考にいる人を「具体的」語りに導く、その逆もしかり。「もう少し教えてください」「それの何か辛かった?」等、相手の心・目・耳となってクライアント様の感情に触れなければ、本質が見えないということに気づかされました。
②大切な人を失ったときにかけられた傷ついた言葉
相手に良かれと思ってかけた言葉が、その方にとって耐え難い言葉である場合があり、グリーフを更に深刻化させることがあるということです。過去に自分も言ってしまった言葉があり、はっとさせられました。グリーフは心の傷。言葉の力、言霊の重みを改めて感じました。
③グリーフを学び共感してくれる仲間
同時期にお会い出来た方との「ご縁」を感じています。初対面の方ばかりでしたが、喪失体験を分かち合いから始まり、暖かい雰囲気に包まれたこと感謝しかありません。グリーフのその先にある目的や場所等で、また繋がっていけたらと思うメンバーでした!有難うございました。
- 今回の学びをこれからどのように活かしたいですか。
- グリーフは誰でも体験するものなのに、義務教育の学校では教えてくれない。また、直面するまで、喪失に対する対処などを考えもしません。「人生はグリーフの連続であり、魔法の言葉は無い」というのが印象的でした。100人いれば100通りのグリーフが存在することを学びました。
私はその中でも特に公認されにくいグリーフの1つである、ペットロスに絞り携わっていけたらと考えています。ペットロスを知るにはもちろん、その他タイプのグリーフを学ぶことも重要だと、アドバンスコースを受講して実感しております。
ハワイ在住の日本人のみならず、オンラインを通じて世界中にいるペットロスで哀しむ方への分かち合いの場やペットロス軽減につながる知識の提供をIT技術や動画などを活かして実施したいです。また獣医師の方などとも定期的にキャッチアップしていければと考えています。
- アドバンスコースをベーシック受講生に勧めるとしたら、どのように伝えたいですか。
- 哀しみに耳を傾けるということを、深く実践できる場です。講座のワークと言えど、語る内容は受講生やサポートに入ってくださっている方々の真実に基づいており、臨場感があり、涙なくしては聴けません。アドバンスコース初回に実施する敬話敬聴ワークの体験は、大変貴重で、まさにグリーフ専門士としての登竜門です。
(ハワイ州 Hiroko Kleshick(ヒロコ・クラシック)さん)
実際に支援者としてクライアントにどのようなことが起こる可能性があるか、身をもって知ることができたのは大切な体験だったと思います。(全文はクリックしてご覧ください)
(愛知県 藤代美穂さん)
- アドバンスコースで特に心に残ったことを3つあげてください。
- 1.我が子を失う哀しみ
当事者として自分自身が経験してきたグリーフの経緯を客観的な視点から見ることができたことや、自分は経験しなかったがありうるケースも学ぶことができたことは、今後子どもを亡くしたお母さんへのケアを重点的にしていきたいと考えているのでとても勉強になりました。また授業内で自分自身の体験や当時の想いをシェアすることができ、ペリネイタルロスが独自に抱える課題が明確になったり、そこで自分にできることがないか、気づくことができたのは大きな収穫でした。
2.子どものグリーフ
一口に子どもといっても発達段階によって寄り添い方が異なり、それぞれの段階に応じた寄り添い方でより丁寧に、そして大人よりも慎重に、覚悟をもって向き合うことが必要とされるのだと知りました。言葉で伝えられないだけで理解している、そして行動には
意味があり、そのメッセージを敏感に察することが求められるとても難しいとは思いますが、今後もし関わらせていただく機会があれば真摯に向き合ってみたいと思いました。
3.寄り添いのワーク
アドバンスコースの中で様々な手法を学びましたが、私自身が実際に体験してみて一番心に残ったのは寄り添いのワークです。消化していたと思っていたことがまだ実際は 未消化で、ただ見えないように蓋をて隠していただけだったことに気づき、自分でも見たくないイヤな部分に触れなければいけないことでとても心が揺れました。でもそれを経験したことによって、未消化の部分を味わうことができ、脱皮したように心が軽くなのを感じました。やはり感情の奥深くを覗くことに恐れを感じましたが、インカンテーションを学んでいたことで戻ってこれる安心感がありその効果も実感しました。実際に支援者としてクライアントにどのようなことが起こる可能性があるか身をもって知ることができたのは大切な体験だったと思います。
- 今回の学びをこれからどのように活かしたいですか。
- サロンでアロマセラピーのトリートメントを行う際、施術前にカウンセリングを行うのですが、心と身体は繫がっていることを自分の経験を通じて、単に体調の不調だけではなく、心の問題を見つけ解決していくことが本当の意味での癒しになると考えるようになりました。そのためできる限り心の悩みや、本当はどうありたいかということもカウンセリングで聴くことが必要だと感じたので、その際にアドバンスコースで学んだ手法やマインドを取り入れていけたらと思っています。そして将来的にはやはりグリーフケアもサロンの柱にしていきたいので、準備が整い次第マスターコースも受講しさらに学びを深めていきたいと考えています。
- アドバンスコースをベーシック受講生に勧めるとしたらどのように伝えたいですか。
- ベーシックで学んだことをより深く、より実践的に学ぶことができ、とても内容の濃い充実した授業でした。集まった参加者の方それぞれに様々な背景があり、その体験や想いをシェアしあうことで、自分一人では経験できないことも知ることができ、お互いを高めあうことができるのもとても魅力だと感じました。
大変貴重な時間を過ごすことができ感謝しております。ありがとうございました。
(愛知県 藤代美穂さん)
グリーフの学びは、人として生きていくために最も大切で慈愛に満ちたものです。これを身に着けた時、どのような方も愛にあふれた人生になるはずです。(全文はクリックしてご覧ください)
(東京都 T.Mさん)
- 講座に参加してどのように感じましたか。特に心に残ったことを3つあげてください。
- 講座の内容として印象深かったものは、以下の三点です。
1.ペリネイタルグリーフケア
2.コアコミュニケーション
3.再会セラピー
以下、それぞれへの簡単な所感を述べます。
1.については、状況毎の学習項目が多岐にわたることから、今後も書籍等を通じて学習を継続するとともに、具体的なお話を伺う際にも細心の注意が必要と考えます。
2.特にパートナー間で哀しみを少しずつ癒し互いに愛を深めていく過程で、コアコミュニケーションの理解がある方が望ましいと感じました。
3.自分自身が講座のワークの中で幼少期の自分と対話する試みを行ってみましたが、予期せぬ心理的な影響や効果がありました。このワークによって起こりうるネガティブな要素とそれへの対処法についても、しっかり学ぶ必要があると感じています。
講師である敏さんをはじめ、ちーちゃん、ようさんにしっかりと支えられて受講できたことは非常に心温まる体験でした。ペリネイタルグリーフの講義の最中に感情移入しすぎたのか少し体調が不安定になった場面がありましたが、サポートのちーちゃんがコメントで「無理をしないように」と気遣ってくださり、こうした細やかなご配慮があってこそ成立する講座であることを理解しました。
いたるところでこのような感想になってしまい恐縮ですが、これからの人生を考えた時、私が人として生きていくために最も必要な能力は敬話敬聴であると気づきました。敬話敬聴という生き方ができれば、私は必ず幸せになれると確信しています。誠心誠意人の話を聴くという姿勢は自分にとって徹底的に足らない要素でした。今後、この姿勢を貫くことで「すべては相手のために」行動することになり、そのことが自分に返ってくる。これまで不足していた大切な部分を補ってくれると信じています。
徹底して人の話を聴くためには、知識も必要ですがそれ以上に人間性を高める必要があります。学問としての学びを継続しながら、可能な限りたくさんの方々からお話を聴くという経験を積んでいきたいと思います。
- 今回の学びをこれからどのように活かしたいですか。
- 本講座を学んだものとして、お一人でも多くの方のお話を敬聴させていただくことが最も重要な役割であると考え、その使命に従って活動します。
また、特に若年の時期に、他者の不用意な言動などにより不本意にグリーフを抱えることとなる方を、またその逆にほんの少しの必要な知識が欠如していることで不用意に傷つけてしまう人を一人でも少なくするような啓蒙活動を行います。可能であれば、教育現場でそのような活動ができればと考えます。
毎日の生活の場で行う行動一つ一つが敬話敬聴でありたいと思います。気の置けない人にこそ、その一瞬を大切に敬話敬聴の姿勢で向き合います。
- アドバンスコースをベーシック受講生に勧めるとしたら、どのように伝えたいですか
- グリーフの学びは、人として生きていくために最も大切で慈愛に満ちたものです。これを身に着けた時、どのような方も愛にあふれた人生になるはずです。
学びには多様な目的がありそれぞれ尊重されるべきと思いますが、私にとっては健やかに生きていくために最も大切な要素だと感じます。
もし共感していただけるなら、誰のためでもなくご自身のため、また大切な方のために学びを深めてみませんかとお伝えしたいです。
(東京都 T.Mさん)
開催スケジュール
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申込ボタンが緑の場合は、満席もしくは受付終了です。
講座/クラス名 | 日程 | 時間 | 担当 | 申込 |
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1月2月3月 水曜夜クラス |
第1回1月08日(水) 第2回1月15日(水) 第3回1月22日(水) 第4回1月29日(水) 第5回2月05日(水) 第6回2月12日(水) 第7回2月19日(水) 第8回2月26日(水) 第9回3月05日(水) 第10回3月12日(水) 第11回3月19日(水) 第12回3月26日(水) |
全日程 20時00分~23時00分 |
村野 直子 先崎 直子 |
受講申込 |
1月2月3月 木曜昼クラス |
第1回1月09日(木) 第2回1月16日(木) 第3回1月23日(木) 第4回1月30日(木) 第5回2月06日(木) 第6回2月13日(木) 第7回2月20日(木) 第8回2月27日(木) 第9回3月06日(木) 第10回3月13日(木) 第11回3月20日(木) 第12回3月27日(木) |
全日程 13時00分~16時00分 |
村野 直子 白土 千夏 |
受講申込 |