グリーフ専門士/ペットロス専門士養成コース (共通マスター) Grief Care/Petloss Care(Master)
講座概要
自死遺族支援を始め、複雑なグリーフにおける関わりを学ぶコースです。
悲嘆に関する理論と実践を深く学び、心理的、社会的、そして実存的なテーマに触れながら、多角的に探求します。
特に、自死遺族支援やトラウマに関わる現場の知見を活かし、継続的かつ柔軟な支援の基盤を築いていく内容です。
*協会代表の井手による事前動画とZOOM受講を組み合わせた講義です。
各回(全8回)約2時間の事前動画を視聴の上、ご参加ください。
講座内容
DAY.1
-
悲嘆理論と臨床
悲嘆理論と「人間主義」
-
悲嘆理論とモデルの概観
-
課題モデルの包括的かつ柔軟な活用(DGTモデル)
-
意味再構成モデル
意味再構成とは
-
死別における意味再構成の領域
-
非意味の意味
-
モノローグとダイアローグ
時系列(時間軸)から捉えた悲嘆
-
関係性(空間軸)から捉えた悲嘆
-
フロイトとアドラーの臨床的な視点
DAY.2
-
ライフスタイルの概念
ライフスタイルの定義
-
ライフスタイルの情報源
-
ライフスタイル(運動の線)
-
ライフスタイルの意義
自己概念/世界像/自己理想
-
ライフスタイルへの見解(アドラー/ドライカ―ス)
-
ライフスタイルへの見解(日本グリーフ専門士協会)
-
早期回想の実践
早期回想とは
-
早期回想の流れと留意点
-
早期回想を解釈する①
DAY.3
-
グリーフと自尊心
器官劣等性と社会的劣等性
-
劣等感と優越感
-
劣等コンプレックスと優越コンプレックス
-
ライフスタイルの形成
きょうだい順位と親の影響
-
ライフスタイルの影響因と決定因
-
早期回想を解釈する②
-
早期回想の実際
ストレングスを共同で見つける
-
自分の課題を見つける(何に困ってるか)
-
自分の戦略を知る(その時にどうしてるか)
DAY.4
-
複雑な悲嘆(遷延性悲嘆症)
複雑な悲嘆への前提と定義
-
複雑な悲嘆の特徴(DSMにおける遷延性悲嘆症)
-
遷延性悲嘆症に対する専門士の立場
-
トラウマの理解
トラウマとは何か(DSMにおけるトラウマ)
-
トラウマの影響(PTSD/複雑性PTSD)
-
PTSDと遷延性悲嘆症の違い
-
トラウマへの関わり
ポリヴェーガル理論
-
心理療法/専門士としての関わり
-
トラウマに対する支援者ケア(二次的トラウマへのセルフケア)
DAY.5
-
自殺の現状と課題
自殺の哲学的考察
-
「自死/自殺」の表現に関するガイドライン
-
自殺対策大綱(自死遺族支援の枠組み)
-
自殺の複雑な要因に気づく
自殺の対人関係論
-
原因の複雑さに気づく
-
心理的視野狭窄の状態
-
自殺リスクの心理と行動への関わり
「希死念慮」「自殺念慮」「自殺企図」
-
自殺のリスクアセスメント
-
死にたい気持ちへの関わり
DAY.6
-
自死遺族が直面する課題
心理上の課題
-
生活上の課題
-
法律上の課題
-
自死遺族の心理(認知・感情)の理解
「悲嘆の心理的変容の可能性」の概観
-
自死遺族特有の認知(探索、怒り、罪悪感)
-
自死遺族特有の感情(羞恥心、置換え、孤立)
-
自死遺族の実存
「生きる意味」の再構築
-
自死遺族の手記
-
ネガティブ・ケイパビリティ
DAY.7
-
自死遺族の支援の実際(電話)
電話相談事例
-
主訴を理解する(その人は何を相談したいのか)
-
共感的関わり(敬話敬聴)と適切な距離感(時間・タイミング・表現)
-
自死遺族の支援の実際(メール)
メール相談事例(敬話敬聴的な関わり/法的な案件への関わり)
-
主訴を理解する(その人は何を相談したいのか)
-
共感的関わり(敬話敬聴)と適切な距離感(文字数・タイミング・表現)
-
自死遺族からの問い
法律相談と生活相談
-
死亡後の家族の関係
-
周囲の人に死の状況をどう伝えるか
DAY.8
-
グループアプローチ
グループアプローチの機能 (ヤーロムの理論をグリーフケアで考える)
-
セルフヘルプサポートグループの利点と課題
-
日本グリーフ専門士協会のグループアプローチ
-
わかちあいの会の実際
わかちあいの会の枠組みと流れ
-
個人を守ること/場を守ること
-
語ることの意味/わかちあうことの意味
-
二重過程モデルとPTG
PTG(心的外傷後の成長)の考察
-
二重過程モデルと未来のビジュアライゼーション
-
喪失と再生(統合された悲嘆)
全8日間 / 計36時間(※課題実施時間含む)
受講料
170,000円(税込187,000円)
※ 副読本「アドラー心理学教科書ー現代アドラー心理学の理論と技法ー」税込 2,000円
*参加対象者はアドバンスコース修了生です。
*アドバンスに申込み済みの方はマスターにもお申込みいただけます。
*ご参加クラスは「アドバンス最終日以降の開講クラス」をご選択ください。
講座担当
公認心理師:幼少期の喪失体験から悲嘆支援に関心をもち、協会を発足。心理臨床の視点からグリーフケアに取り組む。
受講生の声
詳しい感想をご覧になりたい方は、各受講生の声をクリックすると全文をお読みいただけます。
とても重いテーマを扱うので大変覚悟がいりますが、生きることの意味を、大切な人の死を通して学ぶことができる内容です。仲間との繋がりがより感じられるワークが盛りだくさんで、マスターコースが終わる頃には強い絆を感じられると思います。(全文はクリックしてご覧ください)
(静岡県 山下啓代さん)
- 講座に参加してどのように感じましたか。特に心に残ったことを3つあげてください
- ・早期回想を繰り返し行うことで、自分と向き合う時間が持てました。そのことで自己の長期的な課題に気づくことができるのがすごいなと思いました。自分の認めたくない部分と向き合うことにもなりますが、しっかり取り組むことで今後の生き方にも深く影響を与えると感じています。仲間が温かく言葉をしっかり選んで伝えてくれることで、素直に心に響きました。
・自死・自殺・事故・災害に伴うグリーフを勉強させていただき、自身の経験や体験にはない苦しい感情を味わうことになりました。この感覚をもっていなければ専門士として哀しみにくれる人と対峙することはなかなか難しいなと感じました。どこまで学んでも、同行者になることは難しいことと思いますが、敬話敬聴の姿勢で真摯に向き合いたいと思います。
・フューチャーツアーで、自分の未来をイメージすることよりも仲間の未来をイメージすることの方がはっきりとイメージできたことに少しビックリしました。部分的に仲間の見てきた未来とリンクする部分があったことも不思議でした。お互い、叶うといいなと思います。
- 今回の学びをこれからどのように活かしたいですか。
- まだまだ知られていないグリーフについて、それに伴う反応と共に伝えていきたいと思います。と同時に、カウンセリングもできるようになりたいです。グリーフの学びは、生き方や死に方を学ぶことにも通ずると思っています。人と関わっていく上でとても大切なことを学ばせていただけたと思いますので、常日頃から相手を敬った言動をとりたいと思います。現在、在宅看取りの現場で働いていますので、患者様やご家族に優しく同行できる人になりたいと思います。具体的に敬話敬聴の3Sを実践できればと思います。いつか、地元でグリーフカフェやわかち合いの会を開催できるようになりたいです。子どもたちの心のケアにも活かしていきたいと思います。
- マスターコースをアドバンス受講生に勧めるとしたら、どのように伝えたいですか
- とても重いテーマを扱うので大変覚悟がいることと思いますが、生きることの意味を、大切な人の死を通して学ぶことができる内容です。自己とじっくりと向き合う時間があります。その時間を仲間が支えてくれます。仲間との繋がりがより感じられるワークが盛りだくさんで、マスターコースが終わる頃には強い絆を感じられると思います。
(静岡県 山下啓代さん)
仲間に支えられ、癒され、成長し、自分を愛することができるようになりました。「哀しいけれど幸せ。」これが今の私の気持ちです。(全文はクリックしてご覧ください)
(東京都 Y.Iさん)
- 講座に参加してどのように感じましたか。特に心に残ったことを3つあげてください
- 1.グリーフという言葉を知り、自分の状態を冷静に捉えることを目的にスタートした専門士の講座でした。アドバンス、マスターと立ち止まることなく進んできました。知識を得ることで湧き上がる感情に振り回されることなく自分を客観視できました。安心して自分の気持ちを受け止めてもらえる環境に身を置くことは私にとって安全でもありました。アドバンス終了時には再び哀しみが自分を襲い、私のグリーフは何も解決していないことに気づかされ「自分を許す」をテーマにマスターコースをスタートしました。講座の中で敏さんが仰った「行き場のない感情、つまりエネルギーを有用な形に振り向ける」という言葉がストンと自分の中に納まりました。怒りを向ける対象がわからない状況の息子の死。この複雑な気持ちを有用な形にしていこうと自分で決めたからこそ今がある。死別直後から「自分の経験を誰かのお役に立てなければ!」という強い使命感が沸いた意味が理解できた瞬間でした。仕事・時間・生活・金銭面など…すべてのタイミングが整えられ、ここまで来ることができたことは奇跡。息子に導かれたと感じています。まだまだグリーフの渦中ではありますがグリーフと共に歩んでいけばよいのだと思っています。仲間に支えられ、癒され、成長し、自分を愛することができるようになりました。寄り添い、応援してくれる仲間との出会いは感謝しかありません。「哀しいけれど幸せ。」これが今の私の気持ちです。
2.「自死」についての講座内容は、多くのことが我が子の人生と重なり、最も気持ちが揺れた時間でした。たくさんの思いが湧き上がって、涙をぬぐいながら受講しました。あの時、ここで学んだ知識があれば、あの子は死ななくて済んだかもしれない…と「たられば」が再発してその後何日も辛くなりました。一方で、遺された弟妹である次男と娘をこれ以上悲しませないためにも、私自身が幸せに生きなければと心に誓った時間でした。
3.早期回想について同じテーマで読み解きをしても、新たな答えが出てくることに驚きました。信頼できる仲間と、お互いの心に深く触れ合い、相手が変化していく様子が嬉しかったです。ぱっと表情が明るくなる時、私の気持ちも喜びでいっぱいになりました。自分では気づかなかった心の部分を見せてもらえる不思議な時間でした。本当の自分を知ることは自分を愛することなのだと思います。自分に正直になっていく過程で、少しずつ自分のことが愛しくなっていきました。自分を責めることしかできなかった私が、自分にOKを出せるように、自分を愛せるようになれたことは大きな変化です。
- 今回の学びをこれからどのように活かしたいですか。
- 自分を大切にするために、自分を知り、成長させるために活かしていきたいです。そして、グリーフを抱えた人に哀しみを一人で抱えなくていいと伝えたり、孤独をなくすお手伝いができたらいいと考えています。フューチャーツアーでたどり着いた場所は、カウンセリングやセラピーができるカフェでした。誰も一人ぼっちにならない居場所づくりがしたいです。具体的に決めることはできていませんが、イメージは先行しています。
- マスターコースをアドバンス受講生に勧めるとしたら、どのように伝えたいですか
- アドバンスで終わらせたらもったいないと思います。マスターコースの中には自分を大きく変化させるエッセンスがちりばめられています。安心安全な環境で自分を知り、信頼できる仲間とともに成長できる貴重な場となるでしょう。
(東京都 Y.Iさん)
グリーフケアの学びは「無限大の愛」への一歩です。必要とされる方々のために仲間と進む道は険しくとも楽しく、常に勇気を分け合える、そんな素晴らしい旅でした。(全文はクリックしてご覧ください) (東京都 T.Mさん)
- 講座に参加してどのように感じましたか。特に心に残ったことを3つあげてください
- マスターコースを通じて複雑なグリーフを学んでまいりましたが、複雑であればあるほど、基本に立ち返ることが大切だと感じました。
一方でその複雑な成り立ちについてしっかりと学んでいなければ、クライアント様のお役に立つことが難しいことも理解しました。
基盤となる多様な事例を学びつつ、その知識を決して目の前の事例に当てはめようとせず、常に敬話敬聴の姿勢であることを目指します。
学びの場で常に感じていたことは、仲間がいるということです。仲間という言葉をここまで実感したことはこれまでの人生でも経験がありません。講師の敏さんも、サポートの寿美さんやちーちゃんも、同じタイミングで受講したHさん、Eさん、Sさんも気持ちを共有できる仲間であることを幸せに感じながら受講させていただけたことは望外の幸せでした。
最後に、やはり哀しみの話は愛の話であるということにつきます。本講座のみならず、入門編から始まりベーシック、アドバンスと継続して学びの機会をいただきましたが、この想いを深めていくことができました。人として、このことを理解し、生きている限り心に刻んで実践していこうと思えた、大切な宝物です。心より感謝申し上げます。
- 今回の学びをこれからどのように活かしたいですか。
- お話を聴かせていただくことが必要とされる方、お一人でも多くの方のお役に立てるよう可能な限り務めてまいります。
お一人でも多くの方にお届けできるよう、お一人でも多くの仲間と繋がっていく、そのための活動もしてまいります。
一方で、お話を聴かせていただく機会には物理的に限界がございます。ですが、お困りの方は、常にケアを必要とされています。
我々専門士が身につけたスキルを直接的に活かしていくことは大切ですが、専門士ががそれ等のスキルを使うことが目的であってはならない。
そういうところから一切離れて、必要とされる方々に真に何ができるかということを、制約なく模索してまいります。
- マスターコースをアドバンス受講生に勧めるとしたら、どのように伝えたいですか
- マスターコースを受講し、より深い学びの経験を得られることで、あなたの尊いお気持ちを必要とされる方々の幅が広がります。
また、同じ気持ちを持った仲間とさらに広く深く繋がることができます。
グリーフケアの学びは「無限大の愛」への一歩です。どんな学びも永遠であり、終わることのない旅です。
必要とされる方々のために仲間と進む道は険しくとも楽しく、常に勇気を分け合える、そんな素晴らしい旅となるはずです。
もしよろしければ、共に歩んで参りましょう
(東京都 T.Mさん)
開催スケジュール
サイト利用登録、またはログインしてお申込みいただけます。
申込ボタンが緑の場合は、満席もしくは受付終了です。
講座/クラス名 | 日程 | 時間 | 担当 | 申込 |
---|---|---|---|---|
1月2月月曜昼クラス |
第1回 1月06日(月) 第2回 1月13日(月) 第3回 1月20日(月) 第4回 1月27日(月) 第5回 2月03日(月) 第6回 2月10日(月) 第7回 2月17日(月) 第8回 2月24日(月) |
全日程 13時00分~16時00分 | 井手 敏郎 | 満席/受付終了 |
1月2月木曜夜クラス |
第1回 1月09日(木) 第2回 1月16日(木) 第3回 1月23日(木) 第4回 1月30日(木) 第5回 2月06日(木) 第6回 2月13日(木) 第7回 2月20日(木) 第8回 2月27日(木) |
全日程 20時00分~23時00分 | 井手 敏郎 | 満席/受付終了 |
3月4月木曜夜クラス |
第1回 3月06日(木) 第2回 3月13日(木) 第3回 3月20日(木) 第4回 3月27日(木) 第5回 4月03日(木) 第6回 4月10日(木) 第7回 4月17日(木) 第8回 4月24日(木) |
全日程 20時00分~23時00分 | 井手 敏郎 | 受講申込 |
5月6月月曜昼クラス |
第1回 5月12日(月) 第2回 5月19日(月) 第3回 5月26日(月) 第4回 6月02日(月) 第5回 6月09日(月) 第6回 6月16日(月) 第7回 6月23日(月) 第8回 6月30日(月) |
全日程 13時00分~16時00分 | 井手 敏郎 | 受講申込 |